現在進められている大学院重点化やポスドク支援拡充政策の目的の一つに、「日本の科学技術の強化」が挙げられます。しかし、増員された大学院生やポスドクが従来通りの方法で特定分野の研究活動を行うだけでは、その実現は望めないでしょう。それらの人々の一部が、様々な形で科学技術の成果の社会還元を担うようになって初めて、研究者拡充計画の目的が達成されるのではないでしょうか。
一方、現在大学院生あるいはポスドクの立場で理工系の研究を行っている研究者の多くは、どのような形で就職し、自ら学び研究したことを活かすかという切実な問題に直面しており、研究者をめぐる環境や社会状況を議論する場である「研究問題メーリングリスト」でも活発な議論が繰り広げられました。
本シンポジウムでは、広がりつつある理工系出身者の活躍の場について、5人の講師に話題提供をお願いし、大学生や大学院生・ポスドクの方々に情報提供を行います。同時に、科学技術をめぐる問題がますます複雑化してゆくことが予想される今後の社会において、どのような人材が求められるのかを議論するきっかけにもなれば幸いです。
日時: 2000年3月4日(土) 13:00-17:30
場所: 東京大学先端科学技術研究センター 4号館2階講堂(東京都目黒区駒場4-6-1),地図、行き方案内。
13:00-13:10 開会の挨拶
研究問題メーリングリスト主催者より、ML上でのこれまでの議論の経緯などを説明いたします。
13:10-13:40 「東工大に見る若手研究者の諸問題」
梶雅範:東京工業大学大学院・社会理工学研究科・助教授
13:40-13:50 質疑応答
隅蔵康一:東京大学・先端科学技術研究センター・助手
弁護士・弁理士・ライセンスアソシエイト・特許流通アドバイザー・TLOスタッフ・ベン チャーキャピタリスト・ベンチャー企業のマネージャーなどの仕事を紹介します。「技術開発と知的財産権」に関する研究についても、その一端を紹介します。
14:20-14:30 質疑応答
14:30-14:40 休憩
科学研究が資金面に内容面においても大規模に進展している今日,その成果を生かす道筋があらためて問われている.西欧では科学の有用性が気づかれる前にポケットマネーで科学研究をおこなう時代があった.明治のころすでに有用なものと気づかれていた科学を輸入した日本では,以来公的資金を投入した国営の科学が展開されてきた.その限界が明らかになったいま,科学のもつ普遍性や一般性,真理追究の心を武器に,市民のための科学を実現するという新しい方向性がみえてきている.
15:10-15:20 質疑応答
白楽ロックビル(林正男):お茶の水女子大学・理学部・助教授
米国NIHでは、バイオの研究者だった人が科学運営官になり、全米の生物医学研究を運営 しています。官僚やお役人が、科学の博士号をもっており、研究に精通してるのです。このシステムを、研究費配分の方法と併せてお話しします。
15:50-16:00 質疑応答
16:00-16:30 簡単になれる科学ジャーナリスト
宮田満:日経BP社バイオセンター長
16:30-16:40 質疑応答
16:40-17:30 フリートーク
参加者が、詳しい話を聞きたい講師のところに行って個別に話を聞く時間をとります。